九州陶磁の展開


九州の陶器

九州地方における施釉陶器の歴史は、室町末(16世紀後半)に肥前(佐賀県・長崎県)で誕生した唐津焼にはじまります。

その後文禄元年(1592)・慶長2年(1597)豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して、朝鮮半島から新しい製陶技術が伝わり、九州一円で陶器が焼かれるようになりました。

豊前(福岡県)、筑前(福岡県)、肥後(熊本県)、薩摩(鹿児島県)の各地に陶器窯が開かれたほか、後には豊後(大分県)や日向(宮崎県)、筑後(福岡県)でも陶器が生産されるようになりました。

九州の磁器

江戸初期(17世紀初)、有田(佐賀県有田町)で陶石が発見され、日本で最初の磁器が生産されます。有田をはじめ、波佐見(長崎県波佐見町)や三川内(長崎県佐世保市)を中心とする地域が、磁器の一大生産地となり、製品は積出港である伊万里(佐賀県伊万里市)から全国や、海外に向けて出荷されました。

また18世紀以降には、筑後(福岡県)、筑前(福岡県)、肥後(熊本県)、薩摩(鹿児島県)、日向(宮崎県)など、九州の各地にも次々と新しい磁器窯がつくられていきました。