今から一万数千年前にはじまった気候の温暖化は、海水・地形・地質など地球規模の変動をもたらし、やがて生物にも影響をあたえました。動物の変化は、狩りの道具としての石器・骨角器の変化、魚つり・貝ひろいの発達をうながし、植生の変化は木の実・山菜などの採集活動を発展させました。

豊富な食糧資源と保存技術の向上は定住生活を可能とし、地域文化をかたちづくるうえで基礎となるムラを長期にわたって存続させました。

このように、自然環境への適応をとおしてつちかわれた各種の技術革新が社会へ大きな影響をおよぼしましたが、ムラを維持するためのつよい規制と既存の食料にたよる採集経済の性質は、しだいに新技術の創造をおとろえさせる一因ともなりました。

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