原始―技術と開発―


[ 土器と石器]

石器の変化ほか、大型獣を対象とする旧石器時代の槍と、小型獣を

対象とする縄文時代の弓矢を例に、自然環境と技術の関係について

考えたり、土器の発明とその影響について学習するコーナーです。

環境の変化と石器(食料獲得技術の革新)

  ヒトとその他の動物を区分する特長のひとつが、石器の製作です。石器の製作技術は、ヒトの誕生とともに生まれ、その後数百万年間にわたる原始社会を通じてゆるやかな発展を続けてきました。

ところが、旧石器時代から縄文時代にかけて、狩りの道具の急激な変遷と、植物を加工する道具の増加が見られます。これらは狩りの対象となる動物の変化と、木の実など植物質食料の増大という自然環境の変化に対応したものと考えられています。

土器の発明と社会(食料加工技術の革新)

  旧石器時代から縄文時代にかけての、もう一つの大きな技術革新が土器の発明です。土器で煮ることによって保存・殺菌効果が高まり、食べられる物の種類も増えました。乳幼児・老人・病人むけの食事が可能になり、病気の予防や寿命の延長をもたらしました。

  また、ドングリ類のアク(渋み)を抜いたり、干し貝を大量につくることができるようになり、温暖化にともなって発達した植物採集・漁撈活動を支える道具として、原始社会に大きな役割を果たしました。