原始―交流と交錯―


[原始のネットワーク]

土器の文化圏ほか、黒曜石・天然アスファルト等の産地と消費地の広がり

を表現した点灯装置などで、原始の物流・交流圏を学習します。

縄文時代の流通

  石器の原材料となる黒曜石、接着剤として利用されるアスファルト、装身具・呪具に使われるヒスイ(硬玉)など原産地が限定される資材については、陸路や海路により、いくつもの地域・集団を経由しながら遠く離れた地域に流通しました。

  特定資材のこのような広がりは、原始社会の経済的な交流範囲や、技術・情報伝達の経路をしめし、すでに列島規模のネットワークが形成されていたことを物語ります。

文化の交流

  旧石器時代は石器の製作技術や石材によっていくつかの文化圏に分かれるものの、全体的には大陸文化との共通性が高い段階です。一方縄文時代以降は、土器の器形・文様・組合せなどによって、複数の小文化圏に分けることができます。小文化圏は時期ごとに異なりますが、隣り合う圏域どうしは交流によってよく似た展開をしめします。

  これらの相似した小文化が空間的あるいは時間的に連なった縄文文化は、大陸の農耕・牧畜を中心とした新石器文化とは異なる列島独自の文化です。