1999/7/24   本日より、中里町総合文化センター「パルナス」ロビーで、外崎文夫写真展「権現曼陀羅・岩貌」が開催されます。会期は平成11年7月24日(土)〜8月23日(月)までの予定です。(月曜日休館)

外崎氏コメント/土門拳氏に「風貌」という写真集がある。尾崎行雄氏に始まり、著名な政治家や実業家・文化人のポートレートに土門氏の文章を添えて出版された。私の「岩貌」は、氏の「風貌」にあやかり名付けたものだが、モチーフも作風もまるっきり違う。小泊村の権現崎に取り憑かれて撮影していたとき、岩の全体像より「部分」の方が面白いのではと思い付いたのが始まりで、以後5・6年岩肌の面白さを狙い、撮り続けた。今回は、その中から私の好きな貌を選んで、組み合わせ「権現蔓陀綾・岩貌」として個展をやったものの一部を展示しました。

    外崎文夫氏プロフィール
1932年(昭和7年)北津軽郡中里町に生まれる
1951年(昭和26年)木造高等学校卒業
1957年(昭和32年)立正大学文学部国文科卒業後、北五管内中学校に勤務
1985年(昭和60年)退職

以後、「獅子岩・冬」「獅子岩の四季」「権現崎断章」「権現蔓陀羅岩貌」「岩貌」「北の岬」等のタイトルで青森市・弘前市・五所川原市・深浦町・木造町・小泊村などで個展を開催
1998年(平成5年)1月〜3月まで「厳冬の獅子岩」を陸奥新報上に連載

1994年(平成6年)1月〜4月まで「権現崎-神々の住む岬-」を東奥日報夕刊紙上に連載
〈所 属〉日本リアリズム写真集団、フォトグループ「筆」、写団「群狼」
〈現住所〉北津軽郡中里町大字宮野沢字浦島97-1 TEL0173-57-3373

1999/7/22   しばし晴天の続いた奥津軽ですが、今日は曇りがちの空で梅雨明けはまだまだ先の様子です。

さて、かねてから準備をして参りました「蓑虫山人と北奥羽」展ですが、県内ほかの所蔵者の皆様のご協力により、50点前後の作品を展示することが可能となりました。中には、中里町前町長塚本氏の所有する「暗門山三面瀑布之図」「十和田湖之図」「八甲田山図」「鯉図」等の未発表資料も含まれます(写真)。

また、7/1付で一部を紹介した「蓑虫山人迺紀行(岩手県)」「同(秋田県)」は、それぞれ50枚前後の画を綴じた画帳で、通常の展示であれば1枚しか内容を見ることができませんが、すべてを写真パネルで紹介する予定です。

夏の企画展「蓑虫山人と北奥羽」

8月1日(日)〜22日(日)9:00〜16:45(入館は、16:15まで)

月曜休館

   
1999/7/15   昨日、所用で津軽半島の北辺にある小泊村へ行って来ました。梅雨中にもかかわらず、好天に恵まれ、久々に海の風景を堪能しました。

海沿いに住まわれている方は気にもならないでしょうけど、内陸に住んでいる(ちなみに、明治ころまでは五所川原・金木・中里といった内陸部を中通りといったらしい・・・)我々にとって、山道を下ってカーブの先にあの清冽な青い海がひろがる瞬間というのは、至福の一時なのです。あいにく、洋上に浮かぶ岩木山は(地形上、そのように見える)、雲を戴いていて頂部を隠していましたが、穏やかな日本海は目に焼き付きました。カメラを持ち合わせてなかったことが返す返すも残念でたまりません。

好天気と景色に浮かれて、ついでに市浦村十三湊遺跡で発掘調査を行っている市浦村教育委員会ならびに青森県教育委員会の現場におじゃましました。現場は、それぞれ十三小学校の北側、神明宮裏手に、船着場の検出が期待されている前潟に面する一帯です。早くも日に焼けている担当者の榊原・鈴木・工藤各氏は、雨上がりの地面から立ち上る湿気と格闘しながら遺構確認にいそしんでいました。調査は9月ころまで続く模様です。

あと、小泊村にある小説「津軽」の像記念館では、6月18日〜12月26日まで太宰治生誕90年記念特別展「写真でたどる小説「津軽」の旅」を開催しています。きらめく陽光と青い海、おいしいイカが食べたくなったら小泊です。

1999/7/8   7/25(日)まで開催される個人展「-スペース・クリスタル[天空]-ステンドグラスの世界」を紹介いたします。

同企画展では、山口錬さん(中里町)製作のステンドグラス作品20点を展示しています。仄暗い展示空間に淡い光彩を投げかける様々な意匠のステンドグラス・・・。何やらいつもの博物館とは違うムーディーな雰囲気が漂っています。

実は、山口さんの本業は歯科医。勤務の傍ら、精密な模型や自動車など多数の趣味を手がけていることで知られている方です。現在は、ステンドグラスに夢中だそうですが、いずれ模型の方の展示会もお願いしたいところです。

なお、同企画展とあわせて山口氏所有の津軽ビードロほかのガラス製品も展示しています。暑い日々が続く7月。暑気払いに見学してみてはいかが?なお、今後も日程の許すかぎり特別展示室を開放いたします。自慢のコレクションや作品をお持ちの方、どうぞ遠慮なく博物館までご相談ください。

1999/7/1   現在博物館では明後日7月3日(土)から開催される個人企画展「-スペース・クリスタル[天空]-ステンドグラスの世界」の準備が続いていますが、今日はその後に開催される企画展「蓑虫山人と北奥羽」展(8/1〜8/22)について若干宣伝したいと思います。

蓑虫山人(1836〜1900)は、美濃国出身の旅絵師で、全国を放浪しながら各地の風物や考古遺物を画冊に記録しました。とくに青森県には長く滞在し、津軽や下北地方を中心に県内を巡りました。今回の企画展は、県内に残る画とあわせて、岩手・秋田両地方の風俗を描いた画帖も紹介いたします。

秋田・岩手篇の中には、現在青森県立郷土館で開催されている「至高の縄文祭祀芸術-中興土器と土偶-」に出品されている、秋田県昭和町狐森遺跡出土の人面付注口土器(重要文化財)をはじめとする多くの考古資料が描かれており、蓑虫山人の考古学への関心の深さが看取されます。

   
1999/6/29   今日は、春の企画展「高度経済成長の前後」が、一昨日の27日に無事閉幕を迎えました。同企画展に併せて開催された「お父さん、お母さんが小さかったころ・・・」と題する博物館こども教室の模様をお伝えします。

昭和30年から48年まで続いた高度経済成長期は、農村の姿(もちろん都市部もですが)を大きく変えました。詳細は春の企画展解説をご覧になっていただくとして、ちょうど現在の小・中学生くらいのご両親が、幼少の頃のことだと思います。今年度第1回目のこども教室は、その時代のテレビ番組・音楽・遊び・おやつを丸ごと体験してもらおうという趣向のものです。

当日は、シトギ餅(米粉製の素朴なおもち)やけの汁(野菜や山菜を細かく刻んで似た津軽地方の名物)の屋台が設置されたほか、ビー玉・おはじき・ビダ(津軽ではメンコのことをそう呼ぶ)・お手玉など昔懐かしいおもちゃに、博物館を訪れた80名余りの子供たちが歓声をあげていました。

またこの日は、真っ暗な博物館の裏側を探検するコーナーや、縄文土器パズルタイムレースなどが開催され、子供たちにとってもスタッフにとっても大忙しの一日でした。次回の博物館こども教室は、三内丸山遺跡対策室の小笠原雅行さんを講師に招き、「縄文時代の釣針を作ろう!」というテーマで、8月28日(土)に開催予定です。

   
   
1999/6/20   さて、ものすごく久しぶりの更新となってしまいました。今日からまた一週間ばかり留守にしますので、今月は当記事だけになってしまいそうな予感も・・・。

先日、中里町の名所を巡るという商工会主催の催しがありまして、町内を歩く機会がありました。博物館-中里城跡史跡公園-不動の滝-吉田松陰遊賞之碑といった半日コースですが、久方ぶりに自然を満喫しました。

実際のところ花や草木の種類についてはまったく不得手で、ウルシと知らずに接触しまくり、大変な目にあったことも一度や二度ではありません。花鳥風月などという風流心とはまったく無縁の日々を過ごしてきたわけですが、最近は丁寧に花名や樹木名を記している場合も多く、私のような素人でも何とか目の前の物体が何であるのか理解できます。

話は変わりますが、秋には、「江戸時代の飢饉展(仮題)」が予定されており、あわせて救荒食糧(飢饉食)となった草花の写真パネルも展示する予定です。いざというときに備えて、同植物の名前を覚えておくというのは如何でしょうか。

   
    中里城跡に咲き乱れる「サツキ」 森林の木漏日 不動の滝。現在は水量が少ない。

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