博物館最新ニュース
過去のNEWS
1998年 9月 10月 11月 12月        
1999年 1月 2月 3月 4-5月 6-7月 8-9月 10-11月 12月
2000年 1-3月 4月 5月 6月 7      

2000/08/30
去る8月12日(土)なかさとまつり2日目において、「縄文土器パズルタイムアタック」が行われました。「縄文土器パズルは、22のパーツからなる樹脂製の土器片レプリカの中に、永久磁石が埋め込まれており、立体的に組み上げていくことができます。

元々は、円筒下層式土器(縄文時代前期)の形態や文様、厚さなどを体験してもらう目的で設置したコーナーですが、開館以来「中世陶磁器交易ゲーム」と並ぶ人気展示の一つで、毎月第2・第4土曜日の無料開放日ともなると、黒山の人だかりとなります。

実際にやってみると結構難しくて、慣れていないと、大人でも15分近く要します。コツとしては、口縁部は口縁部でまとめ、それ以外の胴部から組み立てていくと、割と簡単に完成しますが、それでも2分を切るとなると、すべての形を記憶しておいて、躊躇することなく、素早く組み上げる技能が必要となってきます。

 

このパズルを競技化したのが、前記のタイムアタックです。ちなみに昨年度の優勝者は、当時中里小2年の長利慎吾君。タイムは2位以下を、1分以上引き離す1分3秒。毎週のように練習を積んで引き出した空前絶後のタイムでした。

今年の参加者は32名、うち全くはじめてという子は、3分の1程度で、あとは手練の猛者ばかり。組みあがり寸前でバラバラにしてしまい悄然とする子や、時間がかかりすぎてみんなに応援される子など、約2時間にわたって繰り広げられた悲喜こもごものレースを制したのは、中里小6年の藤田裕司君。両手でつかんだ土器片を迷うことなく積み上げ、見事1分を切る新記録を樹立しました。そのタイムは驚愕の49秒45。もはや神々の領域に達しているかのようです。来年度のタイムが恐ろしい・・・?

 1 中里町中里      藤田 裕司             49″45  *新記録
 2 中里町深郷田   館山  梓          1′39″46
 3 中里町田茂木   鈴木ゆういち    1′48″99
 4 中里町中里      今 南保子        2′37″00
 5 北海道             川島 三千恵    2′37″33
 6 中里町宮野沢   工藤 琴代        3′30″00
 7 中里町深郷田    阿部 公一       3′32″45
 8 中里町八幡                            3′35″00
 9 中里町中里       秋元 優希       3′35″76
10 中里町富野      長内 美樹       3′38″00

優勝した藤田君の神業

白熱するレース模様

2000/08/26
またまた過去記事です(この際「最新ニュース」というのは忘れてください・・・)。きょうは、7月20日(木)に行われた野焼きの模様をお伝えします。7月8日(土)に精魂込めて製作した土器をいよいよ焼き上げます。

朝8:00、背後に深郷田遺跡がひろがるパルナス南側空地において、野焼きが開始されました。約2時間空焼きしつつ、土器を乾燥させます。午前10:00、いよいよ本焼きの時間です。事前の実験では、直接火の中に投じてたちまちのうちに全滅しましたが、今回は、経験豊富な講師小笠原雅行氏(三内丸山遺跡対策室)の指示に従って、燃えかすを一端取り除いた後、火床の中に静かに約50個体の土器・土偶をおいていきます。

土器・土偶を取り囲むように火を再び起こし、徐々に輪を狭めていきます。その間、参加者は火起こし体験や勾玉作りなど、調理班は黒曜石の剥片で、縄文堝の材料を切っていきます。火に堝がかけられ、豚肉や野菜、キノコ・フキなどの山菜を煮ます。30分後には無事沸騰し、いい匂いが立ちこめてきます。

さて野焼きの方は、いよいよ佳境に入り、攻焚きです。土器・土偶の中に燃料をどんどんくべていきます。たまに、パーンといういやーな音とともに、土器片が降ってきますが、実験とはうってかわって、ごくわずかです。ちょうどお昼ころ、すべての燃料が燃え尽き、そのまま冷まします。

お昼は縄文堝。最初は半信半疑の参加者たちでしたが、意外なおいしさにお代わりが続出。あっという間に空になりました。昼食後は、いよいよ土器を取り出して審査に入ります。審査委員長はゲストの鈴木徹氏(黒石市教育委員会)縄文大賞など7つの賞が決められ、表彰が行われました。ちなみに副賞は、野焼きセットと火起こし体験セット。参加した子供たちも満足げで、大人も楽しい野焼き体験。来年もぜひ実施したいと思います。

縄文大賞                 成田佳誠(中里中3年)*博物館博士該当

縄文土器賞            

縄文土偶賞             珍田ありさ(中里小)*博物館博士該当

縄文チャレンジ賞      葛西俊啓(薄市小5年)・中田大巳(武田小1年)

                              松島菜見(中里小4年)・白川太朗(今泉小3年)

*博物館博士は、博物館年間無料パスポート授与。

縄文時代前期の深郷田遺跡を背景に、煙がたなびく

汗だくの講師の先生方

いよいよ土器投入

火起こしは難しい

石器で野菜を切り、縄文鍋の準備 土器で煮炊きした縄文堝は本当においしかった
見事に焼き上がった土器。成功率は8割以上。

縄文大賞など表彰開始

受賞した子供たち

2000/08/20
津軽の夏-ねぷた・ネブタ・黒石よされ・花火・帰省客etc.-喧噪に満ちた一時が終わり、あたりは既に秋の気配が立ちこめています。そんな中、夏に行われた行事を振り返ってみましょう。

きょうは、去る8月6日(日)に開催された「-灼熱津軽体験-真夏のストーブ列車」の模様を紹介いたします。同行事は、津軽鉄道の名物「ストーブ列車」を、真夏にも楽しんで(?)いただこうというものです。のれ!それ!中里実行委員会の主催で今年で2年目を迎えます。

締め切られた車両の中で、2つのダルマストーブに石炭が投じられ、車内温度は急上昇。真夏日のさなか、列車はもうもうと黒煙を吐き上げ、あたりの空気が陽炎のように揺らぎます。津軽五所川原を発したストーブ列車は、終点の津軽中里駅で津軽三味線の歓迎に迎えられた後折り返し、夕方5時4分再び五所川原に到着しました。

40人余りの参加者は、あまりの暑さにげんなりしながらもアイスクリームや生ビールを片手に、スルメやシジミ汁に舌鼓を打っていました。同列車は、来年以降も引き続き開催される模様ですので、怖い物好きの方は、ぜひご参加下さい。

「真夏のストーブ列車」ポスター

石炭をくべつつスルメを焼く ストーブ列車を牽引する機関車 43℃に達した車内温度
あまりの暑さに子供たちもバテ気味・・・ 直前に急逝された実行委員長奈良修さん