博 物 館 最  新  ニ  ュ  ー  ス

過去の記事   1998年  9月 | 10月 | 11月 | 12月   1999年  1月 | 2月 | 3月 | 4-5月 | 6-7月 | 8-9月 | 10-11月 | 12月    2000年  1-3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9-10月 | 11-12月   2001年  1-2月 | 3-4月 | 5月 | 6-7月 | 8-9月 | 10月  | 11月


2002/1/18
皮下脂肪が蓄積しそうな寒さの中、着々と準備が進んでいる冬の企画展の模様をお伝えいたします。

毎年恒例になりつつある「新収蔵資料展(2/2〜3/17)」。前途多難な、この企画のため、暮れも押し迫る年12月27日に訪れたのが、中里町尾別の宮越実氏宅跡。不幸にも火災に見舞われたこの旧家は、築130年あまり!!「好きなもの持っていっていいよ」というありがたいお言葉に、早速捜索開始!!

ほぼ全焼にもかかわらず、辛うじて残っていたのが「仏間」。果たしてどんなものが・・・。燻った臭いも生々しく、水浸しかつ黒こげ状態の仏間を、3人で一心不乱に探します。しばらくすると底部に「大明成化年製」の銘がある染付香炉が・・・。負けじと私は、森林国営保険のリスの看板で対抗!!そのほか昭和30年代の「明星」「平凡」の付録だった歌謡曲集、レコード(SP盤)、レコードプレーヤ等etc。

これらを博物館に持ち帰り、まずは洗浄。ところが洗っても洗っても焦げた臭いはとれない。おまけに油煙がこびりついていて、これもなかなか。染付の香炉は3日間も水につけお湯につけ・・・と繰り返し、やっとの事でピカピカに。

ところが現地で確認したはずの香炉の蓋がない!!失敗・・・残念なことに結局見つかりませんでした。次はレコードの整理。66枚に及ぶレコードは、殆どが78回転。78回転なんて私の時代にはなかった・・・。普通45回転と33回転なのだが?

ぜひこの機会に博物館の「新収蔵資料展」へ、足をお運びください。78回転の魅惑の音色があなたを待っています。(KO)

2002/1/5
あけましておめでとうございます。冬もいよいよ本番、今シーズンは例年にまして雪が多く、一度も溶けることなく新年を迎えることになりました。新年最初のお知らせは、昨年末に開催された博物館こども教室の模様です。

子どもたちが冬休みに入った第4土曜日12月22日博物館こども教室「キルトでクリスマスツリーをつくろう」が開催されました。9時前から続々と参加する子どもたちがやってきます。日本海交易ゲーム土器パズルなどで遊んでいるうちに、開始の時間がやってきます。

パッチワーク教室の三上るみこ先生の指導の下、にぎやかに教室が始まります。最初に、リースかツリー、どっちか作る方を選択しなくてはなりません。「こっちも可愛いし・・・」「こっちも作ってみたい、どうしようか」とみんな迷いに迷っています。

リースは、赤・白・緑の布を筒状の紐に縫ったものに綿ロープを通し、二人がかりでぎっしりと三つ編みにしていきます。端と端を縫い止め、輪を作ります。止めたところを隠すように、吊すための銀のリボンテープを絡め結び、もう一度上の方に輪っかを作って結びます。次は、グリーンのリボンテープを葉っぱに見立てるなど色々工夫して飾り付けていきます。赤や黄色など好きなリボンを作り、リースに結んだシルバーのリボンに縫いつけます。最後に可愛い音のする鐘をつけると、オリジナルなクリスマス・リースの完成です。

中学生ともなると、さすがに針の扱いもうまく、巧みにツリーに綿を詰めて下部を縢り縫い、リボンを上部に縫いつけていきます。できあがったものをきれいにラッピングします。時々「チリン!チリン!」と可憐で優しい音が館内に響きます。

自分で作ったクリスマス・ツリーやリースの出来映えにみんな大喜び。博物館内は、可愛いツリーやサンタクロース、リースがあふれ、気持ちのよい空気に包まれていました。(Ka)

最初に選択 これも可愛いし こっちも作ってみたい
手伝いのお母さんとともに 力のいる三つ編み リースの完成
ツリーの完成 どう、私のリース 自慢の作品を前に
2001/12/20

武田小学校5年生堤 司教諭)は、今年度総合的な学習活動の一環として米はかせをめざせ!というテーマの研究を行いました。1学期は、種籾から苗を発芽させ、田植え・施肥等稲の生育を体験し、2学期は刈取りから脱穀・選別・精米・調理等を行いました。その間、同5年生は農協や役場産業課、図書館などを訪れたり、図書やインターネットを利用したり、様々な方法で米に関する事柄を調査したそうです。

一方博物館には、同校児童から足踏み脱穀機の借用依頼の電話があり、先月貸し出したところでしたが、先日以下のような手紙が届きました;


しょうたい状(だっこくチームから)    パルナスのひとへ

「米はかせをめざせ発表会のしょうたい状

パルナスの博物館でだっこくの機械をかしていただきありがとうございます。はくぶつかんの人にお知らせします。12月19日1時55分武田小学校5年教室で米作りについて調べた事を発表します。やる事は、米作りの作業、イネの病気、米料理、イネにつく虫、日本晴、料理のししょくです。出席の確認をしたいので学校へでんわをして下さい。電話番号」


もちろん、即座に出席の電話をしました。そして昨日の午後、興味津々で武田小学校へ行ってみると、図書館ならびに武田農協職員も参集していました。博物館同様に招待状を受け取ったそうです。定刻に発表会が始まりました。

発表会は、まずムシッコレンジャー(稲に付く虫について他)」チームからスタートしました。チームのメンバーが黒板の前へ勢揃いし、代わる代わる発表をしていきます。稲につく虫の名前と種類と特徴を紹介し、良い虫と悪い虫がいることを明らかにしました。また、今回は「日本晴」という昭和38年(1963年)に誕生した品種を生育しましたが、もともと、近畿地方など暖かい地方で作られた米であったため、平均気温と年間の降水量が大きく異なる青森県では成長が遅れたのではないかとの推論を展開しました。

続いては「稲病院(稲の病気他)」チームです。稲の病気の種類や症状、原因・対策・予防等について詳細に調べ、学校の稲の病気についてはし、肥料不足が原因との結論に達しました。さらには肥料の種類と違いについても発表してくれました。  

続いて「作業わんぱくチーム(脱穀・籾すり・精米)」です。同チームは、稲刈り脱穀・選別・精米等の収穫作業について実際に体験するとともに、それぞれの用具や方法の移り変わりについて調べました。実際に農協へ出かけてコンバインの構造を見せてもらったり、瓶の種類による精米の違い など興味深い発表でした。

続くは「クッキングプリンセス(米料理について) 」チーム。収穫したお米で、韓国料理キムチチャーハン・キンパップ、中国料理スオミンファン・ネギ風味ご飯などを作ってみました。図書館やインターネットでレシピを調べ、実際に作ってみた経過を発表してくれました。さらに、テレビで放映されていた青森県の郷土料理「豆こごり」というお菓子に挑戦、作り方 をテレビ局に照会して実際に作ったくれました。

最後はその「豆こごり」の試食 。私たちも、児童の中に混じってお茶付きの試食に与りました。お米と大豆からできたとても甘いお菓子で、「豆しとぎ」によく似たもちもちとした食感でした。とてもおいしく、なかにはお代わりをする人たちもいました。

こうして、種籾からスタートした研究は、豆こごりに結実して終了しました。実際の農作業体験や稲の生長を通して、現象から本質を明らかにし、不思議に思ったことや疑問に思ったことを調べてまとめ上げる作業は簡単ではなかったと思いますが、その分しっかりと身に付いたことでしょう。武田小学校のみなさんには米博士を授与してあげましょう。

来年度以降は、ますます総合学習の比重が高まってくると考えられますが、このような最後においしい料理を試食できる試みは、博物館活動としてもなかなか魅力的です。今回の授業を参考に博物館でも新しいプログラムを開発していこうと思います。