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2005/10/16
小泊地区の遺跡探訪

先日、中泊町小泊地区に所在する遺跡を踏査する機会がありました。同地区では、現在のところ19ヶ所の遺跡が確認されています。権現崎北側の小泊港近くに集中的に遺跡分布がみられる一方、南岸の下前地区では全く見つかっていません。おそらく、小泊周辺は小泊川が形成した狭小な沖積地がみられるのに比して、河川のない下前には開けた場所が殆どないといった地形上の制約や、水源の不足といった環境が反映されてい可能性が考えられます。

遺跡の立地は、小河川・湖沼もしくは海浜に臨む台地上に立地するものが殆どであり、低地に立地する遺跡は少ないようです。現在低地は、大部分が宅地として利用されており、遺物の表面採集が困難であるという事情も斟酌されますが、立地の主体は台地や丘陵と考えられます。縄文時代の遺跡が大半を占めることを考え併せると、縄文海進へ対応しつつ、狩猟・漁撈・植物採集等の生業に適した立地が選択されているといえるでしょう。

小泊港周辺には、多くの遺跡が存在しますが、今回は弁天島遺跡・阿曽内遺跡を紹介します。弁天島遺跡は、小泊港の西方約2q、海上に突き出す弁天崎(標高約20m)に立地します。昭和58年(1983)小泊村教育委員会ならびに小泊村歴史を語る会が、中世信仰遺跡の調査を目的として8uの発掘調査を行いました。結果、縄文時代・弥生時代・平安時代・室町時代の遺物が出土し、長期間にわたって人々に利用された複合遺跡であることが判明しました。今回の踏査でも、中国産の青磁碗破片が2点採集されています。

阿曽内遺跡は、弁天島遺跡の南西数100m、阿曽内海岸一帯ならびに海岸に臨む段丘上に立地します。縄文土器・擦文土器・土製支脚・製塩土器が出土しており、今踏査においても、縄文時代晩期の土器・古代の製塩土器破片が採集されています。小泊地区においては、ある程度の砂浜が広がるところでは、すべからく製塩が行われています。おそらく阿曽内遺跡においては、少なくとも古代以降製塩が行われていたことは確実です。

弁天島遺跡 弁天島遺跡表採資料 阿曽内遺跡 阿曽内遺跡表採資料
2005/10/15
博物館教室「居合道・抜刀術演武教室」開催

去る10月9日(日)、中泊町総合文化センター【パルナス】ホールにおいて、 「居合道・抜刀術演武教室」が開催され、町内外の参加者約40名が、次々と繰り出される迫真の演武を堪能しました。同教室は、現在中泊町博物館で開催されている秋の企画展「日本刀の美」併催行事で、刀剣並びに展示に対する理解向上を目的として行われたものです。

最初の演目は、全日本剣道連盟居合道四段外崎源人氏(五所川原市在住)による、抜刀術披露です。呼吸を整え、畳表を径10pほどに巻きしめた巻藁を、一刀両断します。切断された巻藁が、勢い余って客席に飛び込むというハプニングもありましたが、見事な技のキレに場内は拍手に包まれました。

続いては、全日本剣道連盟居合道教士七段吉田 章氏(板柳町在住)・同錬士七段山川光徳氏(五所川原市在住)による居合道演武です。戦後制定された「全日本剣道連盟居合」や、古流である「夢想神伝流」による解説を加えながら、「四方切り」や「総捲り」など、いずれも実戦的な想定をもとにした術技が続々と披露されます。息が詰まるような緊迫した雰囲気のなか、ビシッビシッと刀が空気を切り裂く音のみが響き渡ります。

僅か1時間足らずでしたが、居合道の精髄が垣間見られた教室でした。なお、町民祭開催中の11月5日(土)には、下記「日本刀鑑賞・演武講座」が開催される予定です。

日本刀鑑賞・演武講座
日 時 平成17年11月5日(土)13:30〜15:00(変更になる場合がありますのでご注意ください)
場 所 中泊町総合文化センター【パルナス】ホール
・講          話/津軽承公氏(黒石津軽家第15代当主)・二唐國次氏(刀匠・「現代の名工」)
・居合道演武/吉田 章氏(全日本剣道連盟居合道教士七段)・ 山川光徳氏(同錬士七段)
・抜刀術演武/外崎源人氏(同四段)

当日の演武者 抜刀術(外崎源人氏) 居合道(山川光徳氏) 居合道(吉田 章氏)

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