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2004/5/29
5月23日(日)青森市油川市民センターにおいて平成16年度青森県文化財保護協会総会盛田稔会長)が開催されました。総会の後は、同会常任理事であるとともに、油川の町づくりにも熱心に取り組んでいる木村慎一氏によ る「油川を守った先人たちの事績」と題する講演が行われました。同講演では、津軽為信に味方して、油川を戦火から守った念西坊頼英や、芳賀・西田・津幡といった豪商たちの事績が、文献をもとに詳細に紹介されました。

午後は、バスによる油川周辺の史跡巡り。別名大浜とも呼ばれる油川は、青森湊が開港するまでは大いに栄えた湊町であり、商家や寺社仏閣が多数存在します。まずは坂上田村麻呂創建の伝承が残される熊野宮で、江戸時代の狛犬御輿鳥居等を見学。 北前船で賑わった湊町らしく、船絵馬も奉納されていました。

続いて、寛文3年(1663)開山の浄土真宗明誓寺へ移動し、大正時代油川で缶詰工場を創業したイタリア人ジュゼッペ・ファブリーの墓や、文芸扁額等、その後は徒歩で慶長13年(1608)開山の浄土宗浄満寺へ向かい、青森湊を開いた森山弥 七郎の供養碑や、天明の飢饉時の餓死者を埋葬した千人塚、油川城主とされる奥瀬善九郎の墓と伝えられる五輪塔円空仏等を見学しました。

さらに徒歩で油川町内を散策し、近江屋・綿屋などの商家跡や油川湊番所跡など、江戸時代の油川が偲ばれる史跡群を見て回りました。最後は、油川城跡。水田に囲まれた台地は、平らに削平されているとともに、縄文土器や土師器破片が散布しており、長期間にわたって利用されてきた様子がうかがわれました。

見所たっぷりの史跡巡検を終えて、油川市民センターに戻ったのは午後4時を過ぎていました。最後は盛田会長の講評で幕引き、参加者たちは、来年度の再会を期して帰途につきました。

会場となった油川市民センター 木村慎一氏の講演 熊野宮
青森湊を開いた森山弥七郎の供養碑 飢饉餓死者を埋葬した千人塚 飢饉供養塔
奥瀬善九郎の墓と伝えられる五輪塔 円空仏 西田酒造店(田酒のお店)前のこみせ
油川町内を散策 油川湊から臨む青森 油川城
2004/5/26
5月22日(土)「岩木川子ども自然体験学習会」が開催されました。2年目となる同学習会は、NPO法人岩木山自然学校高田敏幸代表)が主催するもので、第1回目のテーマは「ヨシと生き物を学ぶ」

中里町総合文化セ ンター「パルナス」に集合したのは、津軽一円からやってきた小・中学生12人。大人も交えたアイスブレーキング(氷のように固まった参加者間の緊張をほぐし、お互いに親しみをもち、主体的に学習に参加する雰囲気を作るための作業)により、すっかりうち解けた参加者は、竹内健吾氏による「ヨシ原と生物」についてのレクチャーを受けた後、バスに乗って岩木川下流に向かいました。

若宮付近から河口まで、土堤を歩きながらヨシ原に潜む野鳥を観察します。冷たい東風(ヤマセ)に震えながらも、独特の鳴き声とともに希少種であるオオセッカの姿が確認できました。竹内氏によると、オオセッカはある程度人手が加わったヨシ原を好んで生息するとのこと。

その後天候は徐々に回復、宮野沢地区の菜の花畑竹谷氏所有)でお弁当を食べ終えるころには、さわやかな青空が広がりました。菜の花畑には、リンゴ箱の中に隙間なくヨシを詰めたマメコバチの巣があります。午後は、この巣づくり体験からスタートします。竹谷氏の指導により、リンゴ箱の高さに切ったヨシをきっちりと詰めていきます。一箱詰め終わるのに約15分、非常に手間のかかる仕事です。菜の花に群がったマメコバチは、ヨシの中に入って産卵します。ヨシを割ってみると、中には7〜10個のサナギが並んでいました。

続いては金木町川倉のリンゴ園笹森氏所有)に到着。リンゴ園の中には、先ほど見たヨシ製の巣が置いてあります。笹森氏より、マメコバチとリンゴの不思議な関係はについて話を伺いました。従来完全に手作業だった受粉作業を、マメコバチが代行してくれるとの説明に、子どもたちは感心することしきり。

岩木川→オオセッカ→ヨシ→マメコバチ→リンゴというように、岩木川下流域の自然が、上流のリンゴ産業と密接に結びついていたことに気づかされた一日でした。

アイスブレーキング〜自己紹介しながら、地球キャッチボール 受け取ったときの親指の位置を集積し、海・陸の比率を概算する

岩木川流域の生物について

オオセッカ観察

ヨシ製のヤツメウナギどう

菜の花畑でお弁当

マメコバチの巣 ヨシに入るマメコバチ ヨシの中のサナギ
巣作りを説明する竹谷さん リンゴ園のマメコバチの巣 摘花作業のお手伝い
2004/5/7
このほど博物館のエントランスにヒバの丸太がお目見えしました。直径は約40p、樹齢は150年ほどでしょうか。このヒバ、実は今年の2月に最上猛津軽森林管理署金木支所長(現東北森林管理局青森分局)より頂いたものです。

最初は常設展示室に並べようと考えていましたが、あまりに立派なヒバなので、林業の町中里のシンボルとして玄関に展示することになりました。

展示作業は結構大がかりなものとなりました。ヒバは、博物館内に収まるように調整され、固定金具を取り付けられた後、館内に搬入されました。

6人掛かりで直立させて、アンカーボルトでしっかりと固定。最後にカバーを取り付けて完成となりました。

館内には、ヒバの香りが漂い、森林の中にいるようです。お立ち寄りの際は、是非ご覧ください。

運搬作業(2月12日) 調整の様子 金具取り付け

搬入作業 ボルトで固定 森林鉄道機関車とのショット