博 物 館 ニ ュ ー ス
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2007/7/10 インド仮面舞踊「セライケラのチョウ」無事終了!
去る7月10日中泊町総合文化センターパルナスにおいてインド仮面舞踊「セライケラのチョウ」公演が開催され、町内外から参集した約500名の観客を前に、幽玄な古典舞踊が次々と披露されました。
本公演は、国外の多様な芸術・民族文化に係る関心・興味を涵養し、グローバルな人材を育成することを趣旨として、中泊町社会教育課・文化ホール・博物館・図書館が主催したものです。文化複合施設のメリットを最大限に活用するため、館内部署が連携・協力しながら、それぞれ得意な手法による「文化交流ワークショップ」「本公演」「インド舞踊&セライケラパネル展示」「インド関連書籍ブックフェア」等を併催することによって、成果の相乗効果をねらったものです。
インド舞踊・仮面舞踊について全く予備知識がない状態でのスタートとなりましたが、「セライケラ仮面舞踊公演実行委員会」ならびに「NPO法人日印交流を盛り上げる会」のバックアップによって、実り多い公演となりました。この場を借りて両会には衷心より感謝申し上げます。
さて「セライケラのチョウ」そのものの感想ですが、素人ながら、神に捧げる舞踊形態・構成・演目・器楽演奏からは「神楽」や「舞楽」、また緩急のある舞踊技術・表現法等は日本の「能楽」と西洋の「バレエ」の中間といった印象を持ちました。同様に、演目内容に関する知識があるなしで、ずいぶんと理解が違って来るようにも思われます。
また仮面によって、ダンサーの表情や個性は全く見えないことから、自ずと視点は身振りや手足の複雑な形で表現される動作に向かうことになります。したがって、本来のチョウ・ダンスがそうであるように、ダンサーの近くで鑑賞した場合、そうしたダンサーの微妙な表現や息づかい、足音や空を切る音が五感で体感されます。かがり火の灯った野外では、揺らめくダンサーの陰影とともによりいっそう幻想的に感じることでしょう。
一方遠方では、ダンサーの発する表現の諸情報が次第に届きにくくなり、いきおい目立つ仮面に視点が集中することが予想されます。仮面がゆるゆると動く平板な舞踊に見える恐れさえあるといってもよいかも知れません。ダンサー苦心の表現を余すところなく感じ取れるよう、ステージ前方で鑑賞されることをおすすめいたします。
なお今回のパネル展示にあたって参照した「セライケラのチョウ」関連WEBのなかでは、以下の解説ページ中の一節が印象的です。
仮面をつけて舞踏することから、表現の方法としては頭の動き(siroveda)と首の動き(grivaveda)に限定されます。仮面が、観客からすべてのダンサーの個性を隠します。したがって個人の美も性別も関係なく、唯一技能のみが重要な要素となります。
(中略)バレエ評論家Dunley Husseyは、本当のバレエが何であるかを説明した後に、次のように記します。
「しかし舞踏の芸術的表現の方法を発見したのは、(西洋の)古典的なバレエ振付師だけではありませんでした。結果として同じような非常に高度な技術的方法は、恐らくヒンズーほか東の人々の舞踏で見られるかもしれません。セライケラの仮面を被ったダンサーたちは、動きを芸術的にみせるオリジナルな方法によって発展しました。それらの舞踏は、新種の魅力を持っていることに加えて、芸術的なバレエの本質を有しています。」「セライケラの仮面舞踏」 http://www.geocities.com/SiliconValley/Hills/4002/chhau.htm
また次のページも参考になります。ご参照くださいませ。
「インド仮面舞踏(チョウ;Chhau)」 http://seraikela.nic.in/chhau/chhau_hss.htm
「マスクのChhau-ダンス」 http://india.mapsofindia.com/culture/art-and-culture/chhau.html
日本&インド国旗を前面に配したハデハデの巡業バス。日本中どこへ行っても目立つこと間違いなしです。
宿舎のふれあいセンター木陰にたたずむシャシャダル・アチャルヤ舞踊団一行。公演当日は雲一つない夏日となりました。
会場ホール入り。早速立ち位置や、ダンスの動きをチェック。殆ど言葉が通じないながらも何とか照明や音合わせなど行います。
リハーサル&セッティング終了。ステージ上で記念写真撮影。舞踊団のメンバーみなさんいい笑顔です。
ワークショップ参加児童は、本番前に楽屋へお邪魔してコミュニケーション。忙しいなか親切に対応していただきました。
本番前の舞踊の練習。「神様にあいさつをしてから始めます」とかなんとか話しているらしい。
横笛愛好会楽屋入り。偶然居合わせたフルート奏者パッシュパティさん(インド大統領金メダル授章者)、横笛を借りての即興曲披露に、お母さん方もびっくり。
公演会場となる中泊町総合文化センター文化ホール前には、「日印交流年」の横断幕が。今年はいろいろなインド関連イベントが開催される予定です。
1時間前に開場。待ちかねていた人々は次々ホールに吸い込まれていきます。早い人は、三時間前から並んでいました。
ホール入口では、中泊町図書館による「インド関連書籍ブックフェア」。コンピュータとバーコード読取機を持ち込み、その場で借りることができます。
ホール外では、中泊町博物館による「インド舞踊&セライケラに関するパネル展示」。仮面舞踊の成立や背景などより深く理解することができます?
いよいよワークショップの始まり。最初は公演内容に関する予備知識。「セライケラ」は地名、「チョウ」は仮面舞踏を意味することなどを掛け合いで説明していきます。
緞帳が上がると、ステージには舞踊団メンバーとワークショプ参加児童。舞踊団ダンサーの指導を受けながら、仮面を観察したり、装着体験してみます。
粘土・紙・布の多層構造で製作された仮面は伝統工芸。しかしながら、装着したこどもたちは、あまりの視界の狭さと圧迫感に多少引き気味でした。
続いては、舞踊。「セライケラのチョウ」の原型は「パリカンダ」と呼ばれる武術とされますが、それがよくわかる「ユドヤ」の導入場面を体験。
手足の複雑な形、アクロバティックな動きにこどもたちは悪戦苦闘。五歳から厳しい訓練を積んでいるメンバーの後をついて行くのがやっとの状態。
最後に器楽体験。「ドール」という手で打つ両面太鼓と、「ナガラ」というすりこぎのようなバチで叩く大きな太鼓を体験します。
最初はとまどっていた子どもたちも、リズムに乗って演奏するうちにそれなりの音に。舞踊よりは取っつきやすそうでした。
仮面・舞踊・器楽等について懇切丁寧に解説していただいた副団長サパーンさんとNPO日印交流を盛り上げる会の蓮沼さん。
お礼に地元津軽の伝統芸能披露。「中里横笛愛好会」児童のみなさんの堂々とした演奏に、シャーナイ奏者ビッカスさん思わずビデオカメラを向ける。
津軽の夏を彩る「あおもりネブタ囃子」をバックに、ハネトが跳躍してワークショップが無事終了。
いよいよ本ステージ開幕。最初の演目は「ジャトゥラガット」。シヴァ神に対する祈りの演奏です。
「ハル・パルヴァティ」。 シヴァ神の神妃パルヴァティは、深い瞑想に入っているシヴァ神との神的な合一を望みます。
「マユル」。インドの国鳥クジャクの美しい動きを表現します。振り付けの魅力が存分に引き出されています。
「ユドヤ」。2人の戦士により、武術の技をお互いに見せる、複雑なリズム・パターンの踊りです。剣と楯がぶつかり合う激しい演技は大迫力です。
「ラトゥリ」。夕方になると闇の世界が訪れ、虫たちが現われ、月が沈み、朝が訪れます。ヴェーダの神話を題材としたセライケラの伝統的な演目です。
「ゴルダ ヴァスキ」。 聖なる鳥ガルダと蛇ヴァスキは、共に熱心なヴィシュヌの信者です。彼らは、どちらの信仰がより厚いか言い争います。
7番目の演目「ラーダ・クリシュナ」。 永遠の男女、神と女神の愛の踊りとされます。
最後の演目「ドゥルガ」。宇宙は、シヴァ神のコズミックダンスの結果、創造されたといわれます。
シャシャダル・アチャルヤ舞踊団揃踏み。盛大な拍手を浴びながら、サパーン・アチャルヤ副団長のあいさつで閉幕となりました。
2007/6/22 インド仮面舞踏「セライケラのチョウ」開催のご案内!
インド北東部セライケラに伝わる仮面舞踏は、シヴァ神に捧げる祭りの最後に演じられる古代インドの神々の世界を表現した幽玄かつ神秘的な踊りです。長年セライケラ王家によって保護されてきたインドを代表する仮面舞踏をご鑑賞ください。
日時:2007年7月8日(日)午後2時〜4時(開場1時)
場所:中泊町総合文化センターパルナスホール
入場料:無料(整理券が必要です)
問合せ:中泊町博物館(電話0173-69-1111)
*詳細についてはこちらをご覧下さい→「2007年日印交流年イベント〜インド仮面舞踊・セライケラのチョウ公演〜」HP
クリックすると大画面でご覧になれます 2007/5/5 春の企画展「開拓魂-竹田地区のあゆみ-」開催中!
岩木川下流部に位置する竹田地区は、国営十三湖干拓建設事業に伴う開拓集落であり、戦後まもない時期に入植が始まりました。茫漠たる芦原、資源不足、腰切田、地吹雪、融雪洪水、メタンガス混じり井戸水・・・等々、泥炭地帯の開拓は苦難に満ちたものでしたが、官民一体の取り組みによって、10周年記念式典を迎える頃には地域を代表する美田地帯に生まれ変わりました。
本企画展では、そうした竹田地区のあゆみについて、開拓団のリーダー的存在であった故竹内正一氏が残した写真資料を中心に再構成するとともに、集落模型・入植者住宅模型・間取り復元等を通じて、開拓に懸けた人々の生活を立体的に紹介します。
2007/1/10 今泉分館冬季閉館!
中泊町博物館今泉分館は、12月1日より3月31日まで冬季閉館となります。同分館は、今年夏の開館以来、学校や団体を中心に五百名以上が来館しました。今年は4月1日(日)より開館予定です。なお、ご利用の際は事前の予約が必要となりますのでご注意ください(対応できない場合もありますので予めご了承くださいませ)。